史上最高の三つ巴 エフワン2007
2007-10-28


シューマッハが抜けて、どうなることかと思ったけれど。今年のエフワンは、とんでもなかったね。
 もちろん、とんでもなく、おもしろかった。
 
 去年までは、シューマッハのフェラーリも最後まで優勝争いをしてはいたけれど、二年連続ルノーのアロンソがチャンピォンになって。
 そして今年。
 シューマッハの抜けたフェラーリに、キミ・ライコネンが「勝つために」マクラーレンから入ってきて。
 そのマクラーレンには、チャンピォンチームのルノーを飛び出したチャンプ、アロンソが入ってきて。
 マクラーレンのもう一人は、ロン・デニスの秘蔵っ子、新人のハミルトン。
 アロンソ抜けたルノーは、代わりに入ったコバライネンと、居残りのフィジケラ。
 フェラーリのもう一人も、皇帝ミハエルの最後の相棒、マッサが残留して。
 
 前評判では、(僕は、もうあんまり雑誌も読まなくなったので、僕の前評判、ってことね)やっと来たライコネンの時代、それに挑戦者として絡む現役チャンピォンアロンソ。こういう構図だったんだよね。
 
 開幕戦は、ライコネン、アロンソ、そしてマクラーレンのハミルトン。
 それ見たことか、ライコネンの独走だ。とか思って、その後あんまり観てなかったのだけど、気がついたら、おもしろいことになってたね。
 
 開幕から四戦の優勝者は、ライコネン、アロンソ、マッサが二回。
 そして、この時点でのポイントリーダーは。
 なんと、マクラーレンの新人。優勝していないハミルトン、30ポイント。続くのはアロンソ28。脅威の新人、ハミルトン!
 
 開幕からずっと表彰台に乗り続けているハミルトン、6戦7戦を連勝して、その時点で58点。2位のアロンソ48点。マッサ39、ライコネン振るわず32点。
 優勝しなくても、三位になれば4点しか差がつかないポイント制を考えると、前半であっても26点の差は、もうチャンピオン争いから脱落、って思ってもちっとも不思議じゃないよね。
 あ、この時点でこの四人、リタイアはライコネンの一回のみ。マッサが一回失格になっているけれど。それ以外はみんなポイントを取っている。
 速いけれど、ちょっと取りこぼしのあるアロンソと、優勝しないときでもいつも表彰台のハミルトン。抜群の信頼性を持つマクラーレン。対するは、速いときはめちゃくちゃ速いけど、ちょっと波が荒いフェラーリ。そういう構図の前半戦。
 
 そこから、8,9戦とライコネンががんばって二連勝。次の10戦、リタイアだけれどもハミルトンに9位でおつきあいしてもらって運も向上。さあがんばろう、ライコネン。
 しかしね。
 中盤戦の終わり、12戦までを見ると、今年のエフワンがいかにとんでもなかったか分かるよね。
 12戦終了時、3勝が4人。
 誰一人抜け出すことができない優勝争い。
 ポイントリーダーは、相変わらずハミルトンの84。アロンソくっついて79。ライコネン縮まらず68。マッサも69。残り5戦。フェラーリ苦しい。
 
 このころからね、マクラーレンに不協和音が響き始めた。新人の(そして多分エフワン初の黒人である)ハミルトンに対するプレッシャー。王者のプライド、アロンソがおもしろいわけもなく、チーム内競争を公然と標榜するロン・デニスの元、確執は深まるばかり。
 さらに、スパイ疑惑によるコンストラクターズポイントの剥奪。
 そして。
 第11戦ハンガリーグランプリでの、確執の表面化。
 予選で、2台だけ別次元の速さで争うマクラーレン。終了直前、アロンソピットイン。あとからピットのハミルトン。
 普通に行けば、ハミルトンがぎりぎりの時間でもう一度、タイムアタックができるはずだったのに。
 アロンソのピットインが長引いて、ハミルトンピットに入れず。最後のタイムアタック間に合わず。予選2位。

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