三度目の、上原ひろみ 〓JAZZ週間第2弾〓
2014-12-24


 会場を総立ちに熱狂させるその熱さは、若さだけじゃなくって、他にも秘密があるんだよね、きっと。

 その秘密は何か解き明かそうとして、がんばって聴いていたのだけれどもね。

 ミシェル・カミロ系のパラパラ感と、お家芸の「短音連打」のリズム感。今回は、それだけじゃなくって、ミシェル・ペトルチアーニの透明な音色が、実はすごいんじゃないか、って思ったりもしたのだけれどもね。

 ただ。

 綾戸智恵にも感じたのだけれど。

 何度か聴くと、「おなじみの」と、「待ってました」の部分が大きくなるんだよね。

 それは、MOVEに代表される、短音連打であり、山下洋輔張りのパラパラ、掌、肘打ちであり、カミロ張りの速弾きであり。

 そのためのオリジナル曲であり。

 でも。

 オリジナル曲で埋めつくされた曲を聴いていくと、それが4ビートの古いジャズの範疇からは大きく外れた、でも魅力的な曲達であればあるほど。

 ああ、上原ひろみで、スタンダード聴いてみたいなあ。

 っていうのが、大きくなってくるんだよね。

禺画像]


 コンサートの翌日、ジャズが好きで、何十年も週末には練習して年2回コンサートを開く旧友達と、上原ひろみについて話をしていたのだけれど。

 「(東京公演を聴いた人は、)あの面子だもん、良いに決まってる」

 「(いわゆるジャズを聴くとほっとする、という流れで)まだサイモンとやってるの。ジャズじゃないよ、それ」

 「(ピアノ弾きは)曲芸はちょっと食傷気味。音の圧力の凄さは、ペトルチアーニが飛び抜ける。筋肉じゃないんだよね」

 それでも、僕は、というよりみんな上原ひろみが好きだし、どこまで大きくなるか見てみたいと思うのだけれど。

 秋吉敏子に迫ろう、という野望と価値観を抱くなら、聴かせて欲しいなあ。そろそろ。

 圧倒的な、スタンダード集。

 もちろん、インプロビゼーションこそがジャズである、っていうのも一理だし、それを愉しんでいる上での贅沢だけれども。


続きを読む
戻る
[ただ、それだけの音楽会]
[ただ、それだけの音楽]

コメント(全0件)
コメントをする

//

記事を書く
powered by ASAHIネット